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古墳時代の死者・生者それぞれの思いに迫る企画展

目次

〈お墓とお葬式〉に異常なほどの労力を投下した古墳時代

第140回企画展「死者と生者の古墳時代~下野における6・7世紀の葬送儀礼~」(写真上)が来月2月2日㈰まで、栃木県宇都宮市の栃木県立博物館で開催されています。「古墳時代は〈お墓〉と〈お葬式〉に異常なほどの労力を投下する時代だった」ことを踏まえて、なぜ当時の人々はお墓やお葬式を重視したのか、それがどのように消えてしまったのか、その謎に迫るべく「古墳に残された葬送儀礼の痕跡から死者と生者、双方の思いを読み取ることができる」として企画されたものです。

全国的に珍しい「機織形埴輪」(重文)を含む300点余りを展示

本企画展は4章で構成。プロローグで「古墳で何をしていたのか?」を解説した後、第1章「埴輪が語る葬送儀礼」では、下野地区の埴輪群像とその変化から古墳に並べられた埴輪たちの役割を考え、第2章「ものを食べる死者と生者」では、古墳から出土する土器からわかる儀礼の一端に迫り、第3章「横穴式石室と死者の埋葬」では、遺体の周りに置かれた副葬品や人骨などの資料から横穴式石室の埋葬について考察し、第4章「古墳の終焉と葬送儀礼」では、下野地域とその周辺地域の古墳出土資料から7世紀(飛鳥時代)の葬送儀礼を紹介。最後のエピローグで「古墳のその後」を説明する構成になっています。県内の古墳から出土した埴輪や土器などが300点余り、そのなかには下野市の甲塚古墳から見つかった、全国的にも珍しい「機織形埴輪」(国の重要文化財)も展示されています。

首長墓では仏像工人が製作に関わった可能性がある副葬品も

去る1月19日には、本企画展と同名タイトルで、同館学芸員・荒井啓汰氏による講座が館内の講堂で開催されましたが、定員150名の会場は立ち見が出るほど満席でした。昨年2024年9月30日付けの本コラムで、都内で開催される「埴輪」をテーマにした2つの展示会を紹介しましたが、その埴輪ブームの人気はいまなお続いているようです。関東地方における終焉期の首長墓の一つ、武者塚古墳(茨城県土浦市)の副葬品で、法隆寺の飛鳥仏に見られるモチーフとの類似が指摘されているものもあり、とても見応えのある展示となっています。会期中の来場が困難な方は、館内の売店で本企画展の図録(税込800円)が販売されていますので、そちらをぜひお求めください。