2026.04.28
「死」をテーマにした2つの邦画が絶賛上映中
目次
葬儀社を舞台にした『ほどなく、お別れです』
最近、大切な人との永遠の別れ「死」をテーマにした2つの邦画(いずれも東宝シネマ)が放映され、話題を集めています。一つは葬儀社を舞台にした作品『ほどなく、お別れです』(三木孝浩監督)。葬儀社にインターンとして入社した女子社員(浜辺美波)と、故人と遺族に寄り添う葬祭プランナー(目黒蓮)の二人を主役(W主演)とします。女性は亡くなった人の声を聴くことができる特殊な能力を持つという設定で、さまざまな家族の葬儀を通して、「遺族だけでなく、故人も納得できる葬儀とは何か?」という問いに真摯に向き合いながら「最高の葬儀」を目指すという物語です(主題歌は手嶌葵「アメイジング・グレイス」)。
地下鉄脱線事故の実話を映画化した『人はなぜラブレターを書くのか』
もう一つは、2000年3月に発生した地下鉄脱線衝突事故にまつわる実話を映画化した作品『人はなぜラブレターを書くのか』(石井裕也監督)=写真上。24年前、女子高生のナズナ(當真あみ)は、いつも同じ電車に乗る男子高生・富久信介(細田佳央太)に密かな想いを抱きますが、信介はその事故で亡くなってしまう。そして24年後、ナズナ(綾瀬はるか)は信介にラブレターを書き始める。その手紙が信介の父(佐藤浩市)のもとに届けられ、その手紙を通じて亡き息子の生きた証を感じ、知り得なかった在りし日々が蘇えってくる。愛する者を亡くして生き続けた二人(ナズナと信介の父)の邂逅により、24年前の真実とナズナが手紙を書いた理由が明らかになるというストーリーです。手紙を書く意味を考えたり、亡くなった人の存在が生き続ける感覚を体験できる感動作として、観客の心を揺さぶります(主題歌はOfficial髭男dism「エルダーフラワー」)。
タイトルの一部を別の言葉に置き換えることで…
大切な人、愛する人を永遠に失うとは、どういうことなのか。遺された人たちは、その事実(いつか自分も直面することになる「死」)や喪失感とどう向き合えばよいのか。いまはSNS全盛の時代で、ラブレター(手紙)を書く機会はないかも知れませんが、後者タイトルの「ラブレターを書く」は、「お墓を建てる」など別の言葉に置き換えて考えることもできるため、葬祭業(葬儀屋や仏壇、墓石など)を生業とする人たちにとっても多くの気づきや学びが得られる作品となるでしょう(どちらの主題歌も感動的)。ぜひ劇場まで足をお運びください。
