納骨堂とは
納骨堂とは、寺院や霊園に設置されている納骨施設のことを指します。墓石ではなく、納骨檀と呼ばれる個別の納骨スペースの中に遺骨を安置してもらいます。
近年では納骨堂を選ぶ人も増えており、比較的霊園の少ない都市部では、お墓から納骨堂へ引っ越す人も少なくありません。
納骨堂は「お墓のマンション」とも呼ばれています。
遺骨は骨壺に入れて個別に安置されます。
遺骨の取り出しや引越しが比較的容易なため、将来別の地域に移り住む可能性を考慮して、納骨堂を希望する人もいます。
納骨堂は、寺院や霊園ごとに提供されているサービスが異なります。
一定期間だけ納骨堂での個別安置をし、そのあとは合祀に切り替わるところもあれば、ずっと同じ場所で永代供養してもらえるところもあります。
ただし、数年~数十年の期間が過ぎたら合祀となるという供養方法が多いため、永久に個別での供養を希望する場合には、対応してくれる納骨堂を探さなければなりません。
納骨堂のメリットとは?
納骨堂を利用する1つ目のメリットとして、お参りへの負担が軽減できるという点が挙げられます。
都市部に位置することが多いため、遺族は都合のよいときに、納骨堂へ足を運んで供養することができます。
その際に、墓石のお掃除などの作業は一切不要ですので、手軽にお参りができます。
2つ目のメリットは、遺骨の引越しが可能な点です。
散骨や合祀の場合には、あとから遺骨を引越したいと希望しても、残念ながら不可能です。
しかし、納骨堂なら遺骨が骨壺に入ったまま個別に安置されているので、引越しにも問題なく対応できます。
3つ目のメリットは、継承が必要ないという点です。
納骨堂は一定期間を経過すると、合祀施設に遺骨を移し永代供養してくれることが多いため、子供がいない人でも安心して利用できます。
契約する際にかかる費用を一括で支払う方式が多く、その場合はあとから年会費や供養料金は発生しません。
納骨堂の注意点
納骨堂での埋葬をご検討いただくにあたって、あらかじめ知っておいていただきたい事柄がいくつかあります。
納骨できるスペース
同じスペース(納骨檀)に複数人を安置することができず、1人1スペースとなっている納骨堂があります。
その場合でも夫婦や家族で同じ納骨堂に安置してもらうことは可能ですが、納骨檀は別々に申し込む形となります。
線香やお供え物の禁止
お参りをしても線香やお供え物が禁止となっている納骨堂が多い点です。
これは火災などの事故を防ぐためで、火気はすべて厳禁です。
契約期間が満了すると合祀となる
契約期間は寺院や霊園ごとに異なり、数年だけ納骨堂というところもあれば、数十年という長い期間で個別安置してもらえるところもあります。
時期によっては混雑の可能性
時期によってはお墓参りの人で納骨堂の施設が混雑することがあります。
お参りする人の長い列ができてしまい、お参りするのに何十分も待たなければならないこともあります。
納骨堂の種類
納骨堂には、いろいろな種類があります。
ロッカー型
縦横に積み上げられたロッカーの扉を開け、そこに骨壺を保管します。
その場でお参りできるタイプもあれば、骨壺を祭壇ブースへ持っていき、そこでお参りするものもあります。
ロッカー型は個人の保有スペースが立方体に近い形となっているものが多いのですが、縦長にして上半分を仏壇に仕立てた仏壇型や、墓石の形をした墓石型もあります。
自動搬送型
自動搬送型は、ブースでIDを読み込ませると、自動的に遺骨が運ばれてくるというシステムになっています。
遺骨の安置に必要なスペースが少ないため、期間を決めずに無期限で安置できる納骨堂もあります。
位牌型
省スペースな納骨堂で、位牌をずらっと並べて置くタイプになっています。
遺骨は位牌とセットで置く場合と、別の場所に収蔵される場合があります。
納骨堂は誰におすすめ?
納骨堂は、多くの方におすすめです。
まず、残された遺族がいない独身の人、子供がいない夫婦などにとっては、亡くなった後の継承問題を考えなくてもよいという利点があります。
これは大きな安心感と言えるのではないでしょうか。
納骨堂は、お墓参りなどの負担を避けたい人にもおすすめです。
屋内の施設なので、草むしりやお墓のお掃除などは一切必要ありません。
掃除やメンテナンスに関しては、すべて納骨堂の管理者が対応してくれます。
家族は、自身の都合に合わせて納骨堂へ足を運び、供養すればよいのです。
経済産業省が業界で唯一認めた石材店組合「全国石製品協同組合」の運営するポータルサイト「みんなのお墓」なら、地域ごとに納骨堂をかんたん検索することができます。
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