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2026.08.31

古い石造物に囲まれた「東京大仏」(板橋区)へ 日本で4番目に大きい「大仏さま」が東京・板橋区に

目次

8月の本コラムは、1回目で自然災害を取り上げ、2回目で戦争を振り返りました。3回目となる今回は「東京大仏」です。座像で青銅製の鋳造大仏は、古くより「大仏さま」として親しまれており、日本では奈良(東大寺)や鎌倉(高徳院)の大仏が有名です。しかし、意外と知られていませんが、東京・板橋区の乗蓮寺にも「東京大仏」と呼ばれる座高8.2mの立派な大仏さまが存在します(写真上)。同寺の第23世・正誉隆道住職が昭和49(1974)年に発願し、延べ3500人の労力をかけて同52(1977)年4月に完成させたものです。ここは千葉氏の居城だった赤塚城の二ノ丸跡で、千葉氏一族や戦没者、有縁無縁の霊を弔い、世界平和と万民救済の願いを込めて建てられました。重量は32t。総高は12.5m(基礎・蓮台を含む)で、頭部だけで3mあるそうです。座像で青銅(ブロンズ)製の鋳造大仏としては、奈良(座高約14.7m)、東京・日の出町の鹿谷大仏(同12m)=寶光寺に平成30年完成、鎌倉(同11.312m)に次いで4番目の大きさとなります。

古い石造物も見応えある力作ばかり

乗蓮寺は、天正19(1591)年、徳川家康から十石の朱印地を与えられて以来、代々の将軍から朱印状(花押の代わりに朱印が押された公式文書)を与えられた、徳川家ゆかりの浄土宗のお寺ですが、この東京大仏以外にも多数の見どころがあります。江戸三大飢饉の一つ、天保4(1833)年の天保飢饉の凶作と疫病で亡くなった多数の菩提を弔う供養塔のほか、津藩主旧藤堂家染井屋敷にあったとされる文殊菩薩(写真上の左手前)や奪衣婆(三途の川で亡者の衣服をはぎ取る老婆の鬼)、役の小角(えんのおずぬ、飛鳥時代の呪術者で修験道の開祖)、がまんの鬼といった年代物の古い石造物で、どれも作り手の思いが伝わる力作ばかりです。

東京大仏と石造物が参拝者に訴えかける教訓

これら東京大仏と石造物を見ると、「戦争や自然災害など、人生は辛いことばかり。しかしどんな不条理なことが起きようが、何度苦難を味わったとしても、決して自暴自棄になったり、人の道に反するようなことはせず、より明るい未来が必ず来ると信じて、諦めず、我慢して、自分に与えられた人生(命)を全うしなければならない」と諭されているように感じます。9月1日「防災の日」を含む、8月30日から9月5日までは防災週間です。今一度、身の回りの備えを確認しておきましょう。