2026.06.22
工期半減、サグラダ・ファミリア「イエスの塔」が完成
目次
ガウディ没後100年の命日に記念式典を開催
スペイン・バルセロナ市のシンボルで、建築家アントニ・ガウディの遺作として知られるカトリック教会サグラダ・ファミリアのメインタワー「イエスの塔」(高さ172.5m、頂部に建つ十字架だけで17m)の完成を記念する式典が、ガウディの没後100年に当たる6月10日に行なわれました。ローマ教皇レオ14世がミサを執り行ない、主塔の完成を祝福するとともに、争いが絶えない世界情勢や社会的弱者への無関心に警鐘を鳴らしました。
IT技術を駆使した最新工法で工期が半減
教会の建設はビリャールの設計により1882年に着工し、翌年、ガウディが引き継ぎました。外観を特徴づける高い塔は全部で18基(完成時)ですが、現時点で4基が未完成の状態です。ガウディの存命中に完成したのは、地下聖堂と生誕のファサード(いずれも「ガウディの作品群」として2005年に世界文化遺産に追加登録)など全体の4分の1未満でした。ガウディはもっぱら模型による設計を重視し、設計図は役所に提出する必要最小限のものしか描いておらず、その多くがスペイン内戦で焼失したため、外観の大まかなデッサンや職人による口伝えなど、数少ない資料をもとに、ガウディの設計構想を想像しながら建設が進められました(写真上は2025年撮影時)。日本人彫刻家の外尾悦郎氏は1978年から従事し、2013年から主任彫刻家として活躍されています。当初の工期は、教会建築の伝統的な工法である組積造で続けた場合、1980年代の時点で約300年と見込まれていましたが、その後、RC造をはじめ、IT技術を駆使した3D構造解析、3Dプリンタによるシミュレーション、CNC加工機など現代の合理的な工法を積極的に採用した結果、(予定どおり2035年に完成すれば)工期はほぼ半減し約153年で完成を迎えることになります。
完成間近の教会で眠るガウディの思いはいかに…
ガウディの最期は事故死でした。1926年6月7日、ミサへ向かう途中に躓いて転倒し、そこを走る路面電車に轢かれてしまいます。当時の身なりはみすぼらしく、やせ細った体形で、浮浪者と間違われて手当が遅れたため、その3日後に亡くなりました(満73歳)。遺体はサグラダ・ファミリアに埋葬されました。つまり本教会は、いわばガウディのお墓でもあるのです。ガウディの没後、設計構想を想像しながら建設を進めたことに批判や反対意見もありますが、本人はどう思っているのでしょうか。
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