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2022.04.20

朝ドラ『ちむどんどん』に見る沖縄の葬送文化

目次

1960年代の野辺送りやお墓のシーンが登場!

先週4月11日にスタートしたNHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』は、翌週月曜日(18日)の第6話でヒロイン比嘉暢子の父・賢三(大森南朋)がいきなり心臓発作で亡くなるという衝撃的な展開でした(写真上=NHK公式ツイッターより)。時代設定は沖縄がまだアメリカの統治下にあった1964(昭和39)年。舞台は本島北部に位置する架空の村・山原村ですが、野辺送り(葬列)のシーンでは、魔除けの天蓋旗を先頭に、朱塗りの「龕(がん)」に棺を入れて墓場まで運ぶようすが描かれました。お墓は岩壁に横穴を掘って石材で入口を塞いだ掘込墓(岩陰墓または壁龕墓とも)のように見えました。昔は墓室手前の「シルヒラシ」と呼ばれる空間や森などで遺体を骨化し、3~7年くらい(あるいは12年)後に洗骨し、蔵骨器「厨子」に納骨してから再びお墓に安置したそうです。番組内では当時の沖縄の葬送儀礼や文化を知る興味深いシーンが次々登場し、ストーリーそっちのけでつい見入ってしまいました。

琉球地域に伝わる他界概念「ニライカナイ」とは

また、悲嘆に暮れる4兄妹が海辺で会話する場面では、亡くなった父の魂がニライカナイ(東の海の遥か彼方または海底にあるとされる楽土、理想郷)へ旅立ったことを伝えていました。ニライカナイは、沖縄や鹿児島の奄美群島各地に伝わる他界概念の一つで、そこには豊穣や生命の源、あるいは神界、畏怖の念など複合的な観念が含まれます。生者の魂はそこから来て、死ぬとそこに帰る、あるいは死後7代を経て祖霊から守護神に生まれ変わる、つまり祖霊神が生まれる場所だと信じられているそうです。ちなみに、海辺のシーンが撮影されたのは、今帰仁村にある赤墓(「あかばか」または「さだばま」と読む)ビーチということです。

今年5月15日で沖縄は本土復帰50年に

本作は、沖縄の本土復帰50年に合わせて作られた番組です。本土から来た観光客は、エメラルド色に輝くキレイな海を見て心が浮き立ちますが、沖縄県民にはそれだけではない特別な存在なのです。昨年2021年10月18日付けの本コラムでも、沖縄で今なお続く戦没者(多数の民間人を含む)の遺骨収集の話題を取り上げていますので、そちらも併せてご一読ください。