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「墓じまい」の実態 その2

目次

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廃墓後、改葬しないケース①「散骨」の注意点

先月6月12日付けの本コラムで、「墓じまい(廃墓)」で取り出した遺骨を改葬しないケースとして、海や山へ散骨したり、自宅等で手元供養(あるいは自宅安置)する方法があることに触れました。しかし、それらを実行に移すには様々な制約や条件があることを知っておく必要があります。

法律上は対象外でも、どこに散骨してもいいわけではない

まず散骨の場所について。散骨を規制する国の法律はありませんが、一部の市区町村は条例で散骨を禁じています。また公園や観光地といった公共施設、あるいは他人の私有地ではその所有者や地権者の許可が必要ですが、まず許可されないでしょう。人気の富士山(8合目以上は私有地、7合目以下は国有林と山梨県有林)での散骨も基本的に不可能と思われますが、登山家の間では故人と縁(ゆかり)のある山頂で遺灰を撒く「弔い登山」が慣例になっているそうです。海では、海水浴場や養殖場周辺、あるいは定期航路の船上からの散骨も不可です。一番確実なのは、散骨の専門業者に依頼するか、自宅庭など自分の私有地に散骨することですが、後者のケースで将来的に物件を売却する可能性がある場合、その評価額が下がったり(売却時に重要事項の説明として追記する義務が生じる可能性あり)、後々トラブルになる可能性があります。話題性のある実例としては、島根県海士町の諏訪湾に無人島全体を自然散骨所としたカズラ島(戸田葬祭サービス㈱カズラ事業部)があるほか、千葉県市原市の緑の丘霊園で実施している粉骨と樹木葬をセットにした自然葬(水溶性の和紙に遺灰を包んで水をかけ、土中に浸透させる散骨様の形式で、代行または自身による埋蔵も可能)などが知られています。

親族の同意は得ているか? 遺骨全てを散骨してもよいのか?

なお、散骨する遺骨は1片2㎜以下の粉末状にすることが世界共通のルールとされます。ハンマーやすり鉢を使って自身で行なうこともできますが、7寸壺の遺骨で約20時間以上要すとされるので、精神的な負担を減らすためにも専門業者に依頼したほうがよいでしょう。そして何よりも、一度散骨すると返却(改葬)できないため、後でトラブルにならないよう親族の同意を必ず得ておくこと、念のため遺骨の一部を残しておくことも検討すべきでしょう。