2026.09.28
世界的に増加傾向にある「SBNR層」とは?
目次
日本人の割合は43%。欧米を中心に急速に拡大
昨年3月、博報堂ストラテジックプラニング局が『SBNRエコノミー「心の豊かさ」の探究から生まれる新たなマーケット』(発行元=宣伝会議、税込2,200円=写真上)という単行本を出版しました。SBNRは「Spiritual But Not Religious」の頭文字で、直訳すると「宗教的ではないがスピリチュアル」、つまり「特定の宗教を信仰しないものの、精神的な豊かさを求める人々(無宗教型スピリチュアル)」を意味します。博報堂が2022年12月に行なったインターネット調査によると、SBNR層の国別割合は、インドで4%、フランスは17%ですが、日本では43%(20代では48%)を占めており、欧米を中心に急速に拡大し、コロナ禍以降、世界的に増加傾向にあるそうです。また1960年代の高度・バブル成長期は、便利さや快適さを求めるモノ消費、1990年代の失われた20年は、豊かな体験や時間を求めるコト消費、そして2020年代のVUCA時代は、心(精神)の平安・充足を求めるシン消費へ移行しているとして、「その価値観を理解することは企業経営やマーケティングに重要な示唆をもたらす」と同社は述べています。ちなみに、VUCAは「Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取ったビジネス用語です。
お墓参りが情操教育に役立つことは立証済み
「宗教的ではないが、心が満たされる体験」として、ヨガや瞑想、サウナ、ハイキングなどが挙げられますが、お墓参りもこれに該当するといえるでしょう。SBNR層の特徴として、「スピリチュアルな活動でも、科学的な研究やエビデンス(証拠)を取り入れる傾向がある」との意見もありますが、2018年8月2日付けの本コラムのとおり、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹氏とお線香メーカー㈱日本香堂による調査によって、「お墓参りや仏壇に手を合わせる行為が頻繁で、日常化されるほど、子供たちは他者への優しさや思いやりが高くなる傾向がある」ことは明らかになっています。
ご先祖様と縦(命)のつながりを意識し、感謝する大切な場所
お墓参りを日課とするある石材業者は、「年配者ほど供養しなければならないという義務感が強く、(子供たちに)迷惑をかけたくないと考えてしまうが、(子供たちは)実際に負担に思っていない」。お墓参りはご先祖様と縦(命)のつながりを意識する大切な場所で、「墓前で感謝の気持ちを伝えるだけでいいことがある」という体験談を話すと、多くの人たちが共感し、素直に納得してくれるそうです。
