2025.01.20
お寺を身近に感じる「掲示板大賞2024」が決定!
目次
息苦しさを感じることが多い世の中だけに
「輝け!お寺の掲示板大賞」の2024年入賞作品が決定しました。公益財団法人仏教伝道協会が主催する恒例企画で、お寺の掲示板に書かれた仏の教えや人生訓などを伝える言葉を審査・表彰するものです。2022年12月19日付けの本コラムでも取り上げましたが、昨年2024年の仏教伝道協会大賞は「望もうと望むまいと あなたは独りじゃない」(広島市、超覚寺=写真上)に決まりました。同協会の公式サイトでは「孤独な状態を望む人、望んでいないのに孤独な状態に陥る人、タイプは様々ですが、この世に独りで生きている人など存在しません。どのような人も人間・生物・自然を含め無数の目に見えない繋がり(縁起)の中で生かされています。社会の中の孤独・孤立問題が深刻化し、分断が強く叫ばれる現在の世の中だからこそ、『繋がり(縁起)を離れて生きている人は存在しない』ということを想起させる」とコメント(講評)を載せています。
お墓参りの心構えを説いた作品も
同サイトに掲載されている入賞作品のうち、前回のコラムで紹介しなかった今回及び前回2023年の作品から一部を紹介すると、たとえば2023年大賞に選ばれた「ことばだけ立派な者は敵である 釈尊」(東京都渋谷区、妙円寺)のほか、「育児とは 育自なり」(菊池市、西照寺)、「今度は今度 今は今 映画『パーフェクト・デイズ』」(盛岡市、光蓮寺ビハーラハウス)、「幸せは築くものじゃなくて 気づくもの」(福岡県添田町、法光寺)、「草取りは 苦サ取りのぞく修行なり 苦を取りみれば さとりなりけり」(滋賀県竜王町、竜王観音禅寺)、「退く一歩」(行橋市、浄喜寺)、「お寺は私に会いに行くところ」(宇佐市、林松寺)など…、いずれもユニークで奥深く、なおかつご住職の人柄がにじみ出るような有難い言葉ばかりです。
人生を見つめ直すきっかけとして
お寺との接点は、菩提寺(先祖代々のお墓があり、葬儀や法要をお願いするお寺)があれば別ですが、一般の方はせいぜい初詣や観光地で立ち寄るくらいで、「敷居が高い」「住職が気難しい」といった堅いイメージを持たれる方が多いことでしょう。しかし、最近は、写経や座禅、御朱印、ヨガ教室、断食道場、七福神巡り、コンサートなど一般向けの企画を充実させているお寺も増えつつあります。人生を見つめ直すきっかけとして、そうした行事に気軽に参加してみてはいかがでしょうか。