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2024.11.15

生死の重みを実感できる『カオルの葬式』上映へ

目次

11月22日㈮新宿武蔵野館での上映を皮切りに

昨年2023年12月15日付けの本コラムで、日本・スペイン・シンガポール国際共同製作による長編映画『カオルの葬式』(湯浅典子監督)=写真上が、メインのロケ地である岡山で先行上映されたことをお伝えしました。その後、本作品は国内外の映画祭への出品を経て、今月11月22日㈮新宿武蔵野館での上映を皮切りに各地でロードショーがスタートします(12月6日㈮大阪・扇町キネマ、京都・アップリンク京都ほか、愛知・栃木・神奈川・岡山で近日公開。詳細日程等は本作品の公式ホームページにてご確認下さい)。

シニカルかつユーモラスに描かれるダークコメディ

あらすじは以下のとおり。一人の脚本家・鷲巣カオルの遺書に書かれていたのは、10年前に離婚した元夫・横谷潤が葬式の喪主を務めることでした。葬儀はカオルの故郷・岡山県鏡野町のお寺で営む段取りで、そこでカオルが遺した9歳の一人娘(父のことを知らない)や、カオルが生前に関わった様々な人たちと出会い、通夜・葬儀が進む中で、それぞれの胸の内に秘めた感情や人間模様がシニカルかつユーモラスに描かれるというダークコメディです。カオルと過ごした過去の記憶が断片的に蘇ってくる半面、横谷の知らないカオルの一面やその後の生活も徐々に明らかになっていく。そして嵐の夜、事件が起きる…というストーリー展開になっています。

コロナ禍によって浮き彫りになった生死の重み

昭和『お葬式』、平成『おくりびと』の系譜を継ぐ「死」をテーマに、一人の女性の人生を描く令和の不謹慎エンターテインメント!―とやや自虐的なサブタイトルが付いていますが、その背景に日本特有の葬送儀礼が縮小・簡素化するきっかけとなった新型コロナの感染があったことにも触れており、大事な人の最期をしっかり見送ることの大切さ、有難さを身に染みて感じることができる素晴らしい作品でした。人生を全うした故人の葬儀に立ち合うことで、一緒に過ごした時間とともに、その時々の表情やしぐさ、感触(質感や体温)、声、匂いまでが想い出となって蘇りますが、それは「故人がこの世に存在した」という確かな証しであり、それをあの世から見届けることで故人も成仏できるのでしょう。そしてお墓を建てて追善供養することで、墓参者は仏さま(または氏神さま)から明日を生きる知恵と活力をいただくことができるのです(エンディングは私が望む結末ではありませんが、そんな意図が感じられました)。