2022.09.30
いかに無理なく「健康寿命」を延ばせるか
目次
日本人の平均寿命が10年ぶりに縮小
厚生労働省の発表によると、日本人の2021年の平均寿命は、女性が87.57歳(前年より0.14歳減少)=国別で世界1位、男性は81.47歳(同0.09歳減少)=スイス、ノルウェーに次ぐ僅差で同3位でした。2020年までは男女とも9年連続で延びていましたが(10年前に平均寿命が下がったのは、東日本大震災で多数の犠牲者が出たため)、新型コロナウイルスの影響で減少しました。厚労省で前年との差を死因別に分析したところ、男性はコロナの影響が1番目で、女性も老衰に次いで2番目だったそうです。ただし、平均寿命が縮んだのは一時的なもので、再び増加に転じると推測されています。
健康寿命は男女とも新記録を更新中
しかし寿命にはもう一つ、介護などを受けずに健康的に社会生活を送ることができる期間を意味する「健康寿命」という考え方があります。平均寿命が延びた背景には、医療技術の進歩が挙げられますが、それによって寝たきりの状態や終末医療の期間がどれだけ延びたとしても、健康寿命そのものが縮んでしまっては元も子もありません。健康寿命に関する調査(対象は全国から抽出された20万世帯)も3年ごとに行なわれていて、女性が75.38歳(2010年調査時より1.76歳増加)、男性は72.68歳(同2.26歳増加)となり、いずれも平均寿命を大きく上回るペースで記録を伸ばしています(=写真上は「健康寿命」のイメージ)。ちなみに、都道府県別で最も長かったのが、女性が三重県で77.58歳、男性は大分県で73.72歳でした。
散歩を兼ねたお墓参りを日課に
お墓が自宅から徒歩や自転車で行ける近場にあり、散歩(ウォーキング)を兼ねたお墓参りを日課にしている人もいます(ある石材店の経営者で、それを何年も続けている人もいる)。消費カロリーは、歩いた距離または時間から計算できますが、たとえば体重50㎏の人が3㎞歩けば、50(㎏)×3(㎞)×0.8=120Kcalとなり、これを時間に置き換えて計算するとおよそ30分歩いた時の消費カロリーに匹敵します(消費カロリーは、ゆっくり歩けば少なくなり、逆に速く歩けば多くなる)。こうした生活習慣を無理のない範囲で日課にすれば、健康増進=健康寿命の延長に期すること間違いなしです。「健康・長寿の秘訣は、毎日のお墓参り!」を合言葉に、ぜひ全国に広めたいものです。