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お墓を通じて交流を図る「墓友」とは?

目次

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生きているうちにご縁を作っておく

永代供養墓は、お寺が永代に亘って供養してくれる合同墓で、お墓を継ぐ子供(墓守)のいない夫婦や単身高齢者(離婚または生涯独身など)、あるいは様々な事情や「承継を前提とした従来のお墓は不要」などと考える方の受け皿としても利用されています。したがって、契約者は孤独な環境で暮らす高齢者が必然的に多いのですが、その真意としては「孤独死だけはしたくない」「見知らぬ共同墓に合祀されるよりも、せめて自分の選んだ場所で眠りたい」ということなのでしょう。また寺院や霊園によっては「生前にご縁を作っておくことで、死に対する不安を少しでも和らげたい」との趣旨で、永代供養墓の契約者同士が交流を図れる会を作ったり、様々なイベントを企画しているところもあり、そこでの交友関係は「墓友」などと呼ばれています。

同じ墓地で眠ることを選んだ政財界・芸能・音楽関係者

誰もが知る政財界・芸能・音楽関係の著名人で墓友の交流を続けているグループがあり、その経緯やそれぞれの死生観を綴った一冊が『私の死生観』(共著、㈱KADOKAWA)として出版されています。政治家の与謝野馨(かおる)氏が旧友の堀紘一氏(経営コンサルタント)に麻布十番の墓地を紹介したのが始まりで、そこから堀氏の親友である三枝成彰氏(作曲家)へ、さらに俳優の奥田瑛二とエッセイスト安藤和(か)津(づ)夫妻、元防衛大臣の森本敏、女優の川島なお美へと墓友の輪が広がり、その縁で彼らは年一回、桜の咲く頃にお墓に集まり、お墓参りをした後、食事会(酒宴)を開いているということでした(このうち、すでに与謝野氏が昨年5月に、川島さんは2015年9月に他界されている)。詳しい内容は、ぜひ本書を読んでいただきたいと思いますが、それぞれの筆者がそれぞれの人生と真剣に向き合っていることがよく分かり、それゆえに故人や自分と向き合う大切な場としてお墓を大事に考えているのであろうと納得しました。

お墓を買う選択肢の一つとして

お墓を買う動機やタイミングはいろいろありますが、こうした気心の知れた友人同士で同じ場所に墓地を購入するというのも選択肢の一つとしてありなのかも知れません。お墓について考える良い機会となりますので、ぜひご一読ください。