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2025.05.30

ほっこりした気分になる長野市霊園の浅川観音像

目次

自然あふれる山林から絶景を楽しめる公営霊園

山桜がちょうどピークを迎えた4月下旬、長野市郊外にある長野市霊園を訪ねました。同霊園は長野市が運営する公営霊園で、昭和48年6月に開設されました。傾斜のきつい山道を車でしばらく上った中腹にあるため、徒歩で行くのは困難ですが、樹木や草花など自然を活かした広大な敷地(約17万3,000㎡)が特徴で、一部の墓域から眼下に広がる街並みや飯縄山(標高1,917m)の雄大な景色を眺めることができます。また墓域は13の墓苑で構成されますが、大別すると、墓石の形(高さ、幅、石の色合い)に決まりがある「規格統一型」、希望のスタイルで建てられる「自由墓地」(高さ制限あり)、つつじと墓石がセットになった「芝/墓石付き墓地」、自然の斜面を利用して整備された「壁面墓地」、生前に縁のなかった者同士が仲睦まじく共同で埋蔵される「合葬式墓地」があり、市民の幅広いニーズに対応しています。

野外彫刻とともに、有名な彫刻家が制作した浅川観音像も

園内には多数の野外彫刻(9点)が展示されていますが、一番のお勧めは、ドーム状の白い大屋根に守られて立つ高さ2.8mの浅川観音像です(写真上)。これは長野出身の有名な彫刻家・矢崎虎夫氏が制作したもので、矢崎氏は著名な彫刻家・平櫛田中に師事し、東京美術学校(現東京芸術大学)彫塑科卒業後、法隆寺金堂再建の際に修復彫刻を手がけたことや、1970年大阪万博に戦没者慰霊と世界平和を願った平和観音像を出展したこと、また晩年には仏教を主題に木彫像を制作したことで知られます(諏訪市には蓼科高原美術館矢崎虎夫美術館がある)。

賽銭箱に書かれていたメッセージとは…

浅川観音像の前に賽銭箱が設置されていますが、そこに貼られたプレートにこう書かれています。「このお金は、観音様にお参りにこられた方の志でございます。やむを得ず利用された方は、都合がついた時で結構ですから、気持ちを添えてお返し下さい。長野市開発公社…」。賽銭箱は、もともと生活困窮者が急場を一時的に凌ぐために設置されている(そういうこと想定した慈善施設)という話を聞いたことはありますが、ここまでハッキリ明言している事例を見たのは初めて。もちろん、賽銭泥棒は犯罪行為であり、遊ぶ金ほしさの犯行というケースもありますが、ぎすぎすした世の中で、こういう昭和レトロ的な(他人に対して寛容な)光景を目にすると、何ともほっこりした気分になります。同霊園の懐の深さを感じることができました。