2024.12.25
2024年に亡くなられた方々を偲ぶ
目次
数々の輝かしい功績と記憶に残る存在感
昨年末と同様、今年2024年に亡くなられた方で個人的に印象深かった人たちを偲び、本年最後のコラムとします。まず青年誌『週刊プレイボーイ』から『週刊朝日』表紙写真の女子大生シリーズ、海外の名建築を写した「建築行脚」シリーズ、宮沢りえさんヌード写真集など幅広いジャンルで被写体の魅力を引き出した写真家の篠山紀信さん(1月4日死去)。国民的人気アニメで主人公の声を務めたお二人、『ちびまる子ちゃん』のTARAKOさん(3月4日)と、『ドラえもん』の大山のぶ代さん(9月29日)も不帰の人となりました。俳優では渋い脇役として活躍した寺田農さん(3月14日)、映画『釣りバカ日誌』やドラマ『池中玄太80キロ』、歌では『もしもピアノが弾けたなら』が大ヒットした西田敏行さん(10月17日)、数々のドラマや映画に出演し『にっぽん縦断こころ旅』も放送中だった火野正平さん(11月14日)は、『人生下り坂最高!』の著者でもある。ドラマ『毎度おさわがせします』でデビューし、『世界中の誰よりきっと』がミリオンヒットした“ミポリン”こと中山美穂さん(12月6日)。他に元横綱・曙太郎さん(4月6日)、俳優の中尾彬さん(5月16日)、情報番組『とくダネ!』司会の小倉智昭さん(12月9日)、『料理の鉄人』に出演した料理評論家の服部幸應さん(10月4日)、漫画家の楳図かずおさん(10月28日)など…。
まるで時空を超え「悟り」を開いたようなコメントが印象的
特に「この人の存在は大きかった」と思えるのが、詩人や脚本家、また人気キャラクターSNOOPYを生んだ『Peanuts』(チャールズ・M・シュルツ)の翻訳者として活躍した谷川俊太郎さん(11月13日)でした。その訃報を伝えた読売新聞ネットニュースで、担当記者がこう回想しています。代表作『二十億光年の孤独』(写真上)の一節を引用した後、「でも、谷川さんはどんな自分の言葉も勝手に心から離れ、詩になってしまう哀しみを抱えた人のようにも見えた」と。そして最後は「最近、宇宙は目に見えない、ビッグバーンのエネルギーに満ちているように見えてきた。僕は今、死んでも宇宙のエネルギーと一体になれると思う」と本人のコメントで締めくくっています。
訃報に接するたび、「当たり前のことに感謝しなければならない」と自戒します。「当たり前のように過ごす毎日、そのすべての営みは当たり前ではない。生きていることに感謝しなければならない。それに気づかせてくれるのがお墓である」と。改めて、今年亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。