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2024.06.28

少子化の韓国で「伴侶(愛玩)石」ブームが過熱!

目次

普通の石ころをペットとして飼う「伴侶(愛玩)石」

前回のコラムで採り上げた少子化の問題は、日本だけでなく、韓国でも深刻化しています。韓国統計庁によると、一人の女性が生涯に産む子供の数の指標となる「合計特殊出生率(TFR)」は、昨年の0.72から今年は0.68まで落ち込むものと予想されています(日本は昨年の数値で1.20。前回6月21日及び2023年1月17日付の本コラム参照)。近年、結婚や出産を悲観的に考える若者が増えていることが主な原因とされます。その副産物なのか、いま韓国では、石ころをペットとして飼う「伴侶石(パンリョドル)」「愛玩石(エワンドル)」がブームになっています。日本でも特殊な効果やご利益(恋愛・仕事・金運・守護・浄化など)があるとして「パワーストーン(貴石、半貴石)」を集めたり、砂を敷いた水盤や台座に自然石を配置して鑑賞する「水石」と呼ばれる文化が古くからありますが、それとは異なり、どこにでもある普通の石(写真上=イメージ)を生物として扱い、人によっては顔を描いて擬人化し、服を着せて会話や散歩を楽しんだり、洗ったりしてお世話するそうです。愛玩石を飼っている芸能人もいて、ファンから「石になりたい!」と羨ましがられているとか。ある石材会社の社員が、(愛玩石として出荷する)大量の石をタライに入れて洗うようす(https://www.instagram.com/reel/CzLvT2WL7Sq/)をSNSにアップすると、約半年で1000万回近い再生数を記録。「そんな荒っぽい方法で強引に洗うなんて、動物虐待ではないか」と批判的な(冗談半分の?)コメントが寄せられたということです。

中国の南宋時代に見られる愛石文化

石を愛でる文化は、中国の南宋時代(1127~1279)に見られ、その愛石文化は日本にも伝来し、第96代・後醍醐天皇(在位1318~39)の愛石「夢の浮橋」が徳川美術館(名古屋市東区)に収蔵されています。1970年代の米国(特にヒッピー族の間)では、癒し(ヒーリング)効果があるとして水晶(クリスタル)がブームとなり、あるアメリカ人が普通の石を「Pet Rock」として3ドル95セントで販売したところ、半年間で500万個(推定1500万ドル)以上売り上げ、日本でも77年トミー(現・タカラトミー)から販売されました。2010年には、ただの石をパソコンにUSB接続して楽しむ(何も起動しない)「USB Pet Rock」が米国で販売されると、日本の秋葉原でも販売されたという経緯があります。世界では、石と結婚した女性芸術家もいるのだとか。墓石もある意味、擬人化した石ですが、お墓参りがブームになることはあるのでしょう