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2023.05.25

韓国人原爆犠牲者慰霊碑が物語る「正負」の歴史

目次

被爆地・広島で開催されたG7サミットが閉幕

被爆地・広島で開催された主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)が閉幕し、議長を務めた岸田文雄首相は国会で「核兵器のない世界に向けた国際社会の機運を高めることができた」と成果を強調しましたが、核軍縮に言及した文書「広島ビジョン」に対して、「核軍縮に向けた具体策や道筋は示されていない」「核抑止(→防衛目的の核保有を容認)を前提にしている」など、被爆者から失望・批判の声が挙がりました。またウクライナ情勢をめぐるセッション出席のためゼレンスキー大統領が急遽来日し、グローバルサウス(アフリカや中南米など南半球を中心とした途上国や新興国)を巻き込んだ外交の舞台となったことで、核軍縮のメッセージは色あせたものとなってしまいました。

韓国人原爆犠牲者慰霊碑を日韓両首脳が夫人同伴で揃って訪問

そうした中、個人的に印象深かったのが、日韓両首脳が平和記念公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑(写真上)に夫人同伴で献花し祈りを捧げたこと。両首脳揃っての同慰霊碑訪問は初めてのことでした。この慰霊碑は韓国人被爆者による提唱で1970(昭和45)年に作られましたが、当初は記念公園内への設置が認められず、移設が容認されたのは1998(平成10)年でした。意外と知られていませんが、朝鮮半島出身の被爆者は数万人(詳細は不明)とも言われており、その多くが戦後に帰国したものの、韓国政府から充分な支援を得られなかったそうです(支援に関する法律は6年前、2017年に施行されたばかり)。岸田首相は5月7日に訪韓し、ソウルの国立墓地『国立顕忠院』を訪問しているので、両首脳が相互に訪問するシャトル外交の一環という位置づけではありますが、日韓両国の信頼・友好関係を夫人ともども深められたのはとても良いことでした。

戦争という正負(加害と被害)両方の歴史を直視して

平和記念公園内の原爆ドームや原爆死没者慰霊碑、原爆資料館などは、日本の被害者としての歴史を物語っていますが、同時に、これだけ多くの韓国人が犠牲になった背景として、日本による植民地支配という加害者としての歴史があったことも事実です。その過去の過ちをしっかり認め反省したうえで、核軍縮等による世界平和の実現を目指すべきだと思います。それはお墓参りも同じこと。過去または現在の過ちを反省し、人として正しく生きる決意と覚悟を新たにする場でもあるのです。