2023.04.17
2030年、あなたは「不死」を望みますか?
目次
人工知能研究の世界的権威、カーツワイル博士が「不死」を予言
先月3月17日付けの本コラムで、故・松本零士さんの代表作、主人公が永遠の命(機械の体)を求めて宇宙を旅するSF作品『銀河鉄道999』を取り上げましたが、その永遠の命がいよいよ実現するかも知れません。アメリカの未来学者で発明家、人工知能(AI)研究の世界的権威として知られるレイ・カーツワイル博士が「2030年までに人類は永遠に生きられるようになる」と予言。それは「体を修復する超微小ロボットを血液に注射する」という方法で、「寿命は毎年1年以上延ばすことが可能となり、最終的には(不死に)到達すると思う」と発言したのです。さらに「人工知能は2045年までに人間の知能を超す(シンギュラリティ)」との見解も示しています。
ネット上では批判的な意見が圧倒的
この話題を受けてネット上では「もはや人間とは呼べないよね」「ロボットじゃん」「(不老を伴わず)よぼよぼで不死といわれても」「殺人鬼や独裁者や性犯罪者が不死になったら最悪」「(500年とか)死ぬまでずっと働くことになる」「死の価値が上がりそう」「お金がないので早めの寿命で結構です」「死なせてくれよ」など、批判的な意見が圧倒的多数でした(写真上は青森・黄金崎「不老ふ死温泉」の絶景)。さらに想像を膨らませると、地球上の人口は増える一方で、食糧難が益々深刻、生活空間はどんどん狭く、酸素が年々薄くなる。もちろん、葬儀社や墓石・仏壇店、生命保険会社などは新規の需要がなく、軒並み廃業に追い込まれることになるでしょう。
これまでにも様々な未来予測を的中させてきた博士だけに…
これが単なる妄想や冗談で済めばよいですが、カーツワイル博士は、これまでにも様々な未来予測を的中させており、たとえば2005年時点で、2010年代にスマホやスマートウォッチ、仮想現実(VR)、2015年に家庭用掃除ロボットの登場などを予測。その的中率は86%とも言われています。ちなみに、2020年代に遺伝学/バイオテクノロジーにおける革命がピークに達し、皮膚細胞の形質転換によって身体の組織や臓器のすべてを若返らせたデザイナーベビー、本当の現実と区別がつかないVR、2030年代に人間がソフトウェアベースになる精神転送、2040年代に人々はマトリックスのようにVRで時間の大半を過ごすなどと予測しています。博士自身は、その日に備えて、消化器に負担を掛けないよう1日200錠のサプリを摂取。自著では「1日も早く機械の体に入れる日を夢見ている」と語っているそうです