2023.03.09
神仏を恐れぬ「罰当たり!」な迷惑動画に物申す
目次
後を絶たないネット上で拡散する迷惑行為
回転寿司店のテーブル横に置いてある未使用の湯呑を舐めて戻したり、レーンを流れる寿司にワサビを載せたり、消毒用アルコールスプレーをかけたり……。ここ最近、道徳や法律に反する過激な行動を売りにしたSNSの迷惑動画が、世間を騒がせています。その投稿者は、10代後半から20代前半の若者が多いようですが、彼らの目的は、その動画が拡散・炎上することで、自身のチャンネル登録数や視聴数を増やすこと(YouTubeに投稿した動画の収益は、1再生当たり0.1円とも言われている)、あるいは世間や友人らから注目されたい(承認欲求)という身勝手なものです。過去にはうどん店のサービス用の天かすを共用スプーンで食べたり、涼を取るためコンビニのアイスケースに体ごと入るシーンがネット上で拡散したこともありました。
石仏を蹴り倒した少年は書類送検へ
また最近、洞窟内に並ぶ石仏を蹴り倒すシーンを投稿した男子高校生が書類送検されました。ネット上では「未成年は逮捕されない」という情報が出回っているようですが、それは大きな間違いで、実際に逮捕され少年院に送致されたケースもあります。こうした事件(単なるおふざけでは済まされない犯罪行為)を誘発・助長させた背景として、いわゆる突撃系や迷惑系ユーチューバーの存在も見逃せません。ネット上には、そのランキングも掲載されていて、第1位が「へずまりゅう」、第2位「ワタナベマホト」、第3位「よりひと」、以下「ガーシーch」「シバター」などが続きます。
神仏を恐れる「自制心」が働かないなら、せめて他人を思いやる想像力を
前述の石仏を蹴り倒す行為は、刑法第188条第1項「神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をする罪」(礼拝所不敬罪)に該当しますが、少年がその違法性を認識していたかどうかは分かりません。ただ一世代か二世代前の親であれば、幼少期に親から「神仏を侮辱すれば、必ず罰が当たる」「周りに人がいなくても、お天道様はちゃんと見ているんだよ」などと言われていて、自制心が働いたはずです。また、実際に悪いことをすると、「死んだら地獄行きだよ」などと脅されて、地獄絵図を見せられた人もいることでしょう。何よりも「その心ない行為によって、他人を傷つけたり、悲しむ人がいる」ということを幼少期にしっかりと自覚させなければなりません。お墓をはじめとする礼拝所は、そういう道徳心を子供たちに教える場でもあるのです(写真上=東京・深川閻魔堂の閻魔大王)。