2022.12.08
人類にとってAI(人工知能)は敵か味方か
目次
アメリカではAIを神とする宗教団体も
AIの技術が飛躍的に進歩し、いまや日常生活から産業、文化、芸術、宗教に至るまであらゆる分野に及んでいます。AIが注目されるようになったのは1950年代以降のことで、ボードゲーム(チェスやオセロ)の世界チャンピオンがコンピュータに敗北したほか、日本を中心に家電製品(洗濯機や掃除機、エアコンなど)への導入が進みました。2010年代には将棋電王戦(コンピュータ将棋)がスタート。東大模試に挑戦すると「東大合格は難しいが、私大なら合格できる水準」と判定されました。さらに2017年には、アメリカでAIを神とする宗教団体「Way of the Future(未来の道)」が設立されます。民間・軍事面(無人の自動車や戦闘機など)でも研究開発が進み、NHKでは2018年にAIアナウンサーが登場。機械学習で原稿の読み方をマスターし、合成音声によって読み上げる技術が実用化されています。2020年代には、自然言語処理プログラムや自動作曲、自動彩色などの技術も飛躍的に向上しました。
ITの進歩によって僧侶が失業?
お葬式に関しては「住職がCDでお経を流していた」など、本当か嘘か分からない話は以前からありましたが、その話をもとに実用化されたのか、和ロウソク風のLEDライトを点灯させながらお経が流れる専用スピーカー「お経燈」(Bluetooth機能付き)が販売されています。そのうち、お通夜や本葬、納骨、回忌法要など、その場面ごとで必要なお経を宗旨宗派別に自動でアレンジして流せる読経ソフトが実用化されるかも知れません。その結果、僧侶という職業がなくなる可能性もあるでしょう…。
IT業界を牽引してきた実業家二氏も危険性を指摘
実業家イーロン・マスク氏は、自動運転のEV(電気自動車)メーカー、テスラ社の共同創設者であると同時に、人間の脳とAIを統合し、機械との融合・促進を目指すニューラリンク社の共同創業者でもありますが、過去に「人工知能は悪魔を呼び出すようなもの」と述べています。またマイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏も、「これは確かに不安を招く問題だ。よく制御できれば、ロボットは人間に幸福をもたらせる。しかし数年後、ロボットの知能が充分に発展すれば、必ず人間の心配事になる」と述べています。もともとITやAIといった最新技術は、人々の生活をより便利に、豊かにしてくれるものと期待されていましたが、それが矛盾や混乱、破滅を招く結果とならないことを祈るばかりです。