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2022.05.30

もはやお墓の値上げも避けられない状況に

目次

実質賃金が追いつかない「悪い物価上昇」が家計を圧迫

ほぼ全てと思える食料品や日用品はもとより、公共性の高いエネルギー(電気・ガス・ガソリンなど)や首都高速料金に至るまで、2022年に入って値上げラッシュが続いています。今年4月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が前年同月比で2.1%上昇。上昇率が2.0%を越えたのは、消費税率引き上げの影響を受けた2015年3月を除くと2008年9月以来となり、実に13年7ヵ月ぶりとなります。企業間の仕入れ価格を示す企業物価指数も前年同月比で10%上昇し、これは比較可能な1981年以降、最大になるとのこと。これまで原材料が高騰しても消費者離れを懸念して小売価格に転嫁(=値上げ)できない傾向が見られましたが、その我慢も限界に達し、各企業が相次いで値上げに踏み切った結果、それが消費者物価指数に表れたのでしょう。ただし、物価の変動を反映した実質賃金を見ると、今年3月期は前年同月比で0.2%減少し、賃金が物価上昇に追いつかない(家計の負担が増える)状態が続いています(専門家はこれを「悪い物価上昇」と呼んでいる)。

墓石も国産・輸入品問わず値上げの傾向に

主な値上げの要因は、原油価格の上昇と円安ですが、その影響は国産・輸入品を問わず墓石にも及んでいます。原油高と円安のピークは夏頃とも言われていますが、その影響が小売価格に反映(転嫁)されるのは少し後になるので「2%台の物価上昇は年内いっぱい続く」と分析する専門家もいます。墓石の小売価格がどんな値動きをしているのか、今後どれくらい値上がりするのかは予測できませんが、ある程度の値上げは覚悟しておく必要があるでしょう。

単純に「安い」という理由だけで飛び付くのは危険!

墓石は安くない買い物だけに「少しでも安く」という心理が働くのは当然ですが、見た目が同じような商品でも、見えない部分の施工方法(基礎や耐震工法など)や建立後の保証内容、また見積・契約書の発行、使用石材や加工地に関する証明書の有無など、石材店がどこまで安全・安心を考えて対応しているのか、そこまでしっかり見極めて判断する必要があります。単純に「安い」という理由だけで飛び付かないようにしましょう。多少高くても、長く付き合うことを考えて、地元で代々続く石材店のほうが安心という判断もあり得ます。