2022.05.08
分骨はしていいの?やり方や注意点なども解説します
目次
この記事を読まれている方は、「分骨をしたいけど遺骨を複数の場所で供養してもいいのかな…」「分骨をしてはいけないって聞いたけど本当なのかな…」と悩まれているのではないでしょうか 。
そこで本記事では分骨をしてもいいのかという話をはじめ、方法や注意点などについて解説いたします。最後には分骨に関するよくある質問についてもまとめていますので、ぜひお目通しください。
分骨をしてはいけないというのは本当か
分骨とは遺骨を分けて2箇所以上で埋葬や供養をすること。
ひと昔前は分骨に対して嫌な思いを持たれる方が多くいました。
しかし昨今では、手元供養が流行りはじめた影響などもあり、分骨をされる方も増えました。手元供養とは遺骨の一部を小さな骨壺に入れて自宅に置いたり、ペンダントや指輪などのアクセサリーにしたりして、その名の通り手元で供養することを指します。
ただ、一部の寺院や地域では未だに否定的な意見を持たれる方もいらっしゃいます。
そのため、分骨を検討されている場合には親族と事前に相談しておきましょう。また、寺院墓地を利用されている方は住職にもあわせて相談してください。
分骨をするタイミングとやり方
分骨をするタイミングによっては手続きの方法が異なります。
火葬時に分骨する場合
火葬のタイミングであれば、火葬場の職員へ分骨を希望する旨を伝えると分骨の手配を行ってもらえます。ただ、分骨によって増える分の骨壺は用意してもらえないため、持参する必要があります。
また、この際には分骨証明書を受け取るようにしましょう。分骨証明書は分骨をする際に必要なものではなく、墓地などに納骨する際に必要な書類になります。
手元供養の場合には分骨証明書を使用する場面はありません。しかし、手元供養だけで代を重ねていくことは物理的に難しく、納骨をしなければいけない時は、いつか訪れますので必ず取得しておきましょう。
散骨する場合も分骨証明書は必要ありません
納骨後に分骨する場合
既に納骨された遺骨を分骨する際は、火葬のタイミングと比べて手間と費用がかかります。
まずは遺骨を取り出す必要があるため、墓地や霊園の管理者に相談した上で脱魂式・脱魂法要を行います。その後、石材店に依頼をして遺骨を取り出してもらうと言った流れです。
また、分骨後に再度同じお墓へ納骨する際には、納骨法要と同時に入魂(にゅうこん)を行う必要があります。
入魂と脱魂の際には住職へのお布施が1~3万円かかり、遺骨の取り出しを含む、法要全体の費用が1~2万円ほどかかりますので、合計で約5万円はかかると思っておきましょう。
分骨をする際の注意点
先にも述べた通り、分骨する際には分骨証明書を受け取ったり、閉眼供養が必要だったりといくつか注意する点があります。
これらの他にも、分骨に関する注意点が以下の2つあります。
● 手元供養をする際には粉骨しなければいけない場合もある
● 地域や宗派の慣習を確認する
それぞれ詳しく解説していきます。
手元供養をする際には粉骨する必要がある場合も
手元供養をする際、骨壺が小さかったりアクセサリーにしたりする場合は粉骨する必要がでてくる場合もあります。
粉骨とは骨を粉末状に砕くことです。ご自身で行うこともできますが手間がかかる他、遺骨を砕くことに抵抗を覚える方も多く、業者へ頼まれる方もいます。
業者へ依頼する際の費用は、骨のサイズや量、粉砕の方法によっても変わりますが1~3万円ほどが相場になります。また、手元供養品の販売店舗などでは、サービスで粉骨を行ってくれることもあります。
地域や宗派の慣習を確認する
現代においても一部の宗派や地域では、分骨をタブーとしているところもあります。
分骨を行う際には、必ず慣習を確認したうえで行うようにしましょう。
分骨に関するよくある質問
分骨に関するよくある質問についてまとめました。同じような疑問をお持ちの方は、ぜひ参考になさってください。
Q. 手元供養にはどんな方法がありますか?
手元供養は骨壺に入れて保管する方法とペンダントや指輪などのアクセサリーにする方法が主流です。それぞれ詳しく解説していきます。
骨壺に入れて保管する
火葬場で貰える骨壺は大振りで場所をとってしまうため、骨壺で保管する際には小振りな骨壺を別で購入してお使いになる方も多くいらっしゃいます。さまざまな材質やデザインのものがあるため、インテリアに合わせて選ぶのもいいですね。
ペンダントや指輪などのアクセサリーにする
最近では遺骨をアクセサリーにして身に着けられる方も多くいます。
遺骨をそのまま入れられるようになっているペンダントや指輪をはじめ、遺骨から合成ダイヤモンドを作ってアクセサリーにする方法などもあります。
Q. 分骨をしてはいけない時期はありますか?
分骨をする時期について特に決まりはありません。
Q. 手元供養をしていますが法事のタイミングなどでお墓に納骨しないといけない等の決まりはあるんでしょうか?
手元供養の期限などに関する決まりごとは特にありません。
しかし、先にも述べた通り手元供養で代を重ねることは難しく、遺骨を管理している方が亡くなられて代が途絶えた場合、その遺骨は無縁仏となってしまいます。
いつかは納骨しなければいけないという点は覚えておきましょう。
Q.手元供養が難しくなったのですが遺骨はどのように処分すればいいですか?
お墓や納骨堂などで埋葬しましょう。もし埋葬先を用意することが難しい場合には、散骨も一つの手段です。
また、遺骨の形が残ったまま勝手に遺棄したり埋葬したりすることは刑法第190条によって禁止されており、もし行ってしまった場合には罰金や拘留、科料など処罰の対象になります。
以下の記事にてさまざまな埋葬方法を紹介していますので、そちらをご参考ください。
最後に
今回は分骨に関して解説させていただきました。前述した通り、分骨に対する考え方はさまざまです。
分骨をされる際には、必ず宗派や地域の慣習を確認したうえで、親族とも相談をしてトラブルが起きないように注意しましょう。