2022.04.29
お墓はローンで購入可能!ローンの種類や金利など徹底解説
目次
長い人生には、家や車などの高額な買い物をする場面が幾度かあります。
お墓の購入も、その一つに数えられるでしょう。ですが家や車と違って、お墓の場合は急遽必要となるケースが往々にして存在します。
さらには、直前の葬儀で既に多額の出費をしているということも考えられます。「お墓が必要なのに、充分な備えがない…」
今回はそんな時に役立つお墓のローン決済について、詳しく解説して参ります。
お墓はローンで購入可能
そもそもお墓の購入時にローンは使えるのでしょうか。その点を不安に思っている方も多いと思われます。
しかしご安心ください。審査に通りさえすれば、ローンを使ってお墓を建てることは問題なく可能です。「とはいうものの、お墓の購入にローンを使うのはやっぱりちょっと心がひけてしまう…」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、うまく利用すれば心強い味方となってくれることでしょう。
使えるローンの種類
お金を借りるには様々な方法があり、それぞれに大きな特徴があります。例えばカードローンやキャッシングなどは、手軽に借りられるという良さがありますが、金利が高いため高額の借り入れには向いていません。
では、どのようなローンの組み方が適しているのでしょうか。お墓を建てる際によく利用される3種類のローンを、以下にご紹介します。
●フリーローン
●目的型ローン
●墓石ローン
それぞれの違いをしっかりと把握することで、自分にあった方法を見極めましょう。
フリーローン
フリーローンとは、お金の使途に制限がない借り入れ方式です。
お墓以外の出費にも同時に対応したい場合には、便利な方法といえるでしょう。ただしその高い自由度と引き換えに、デメリットも目立ちます。
お墓の購入資金だけを準備する目的であれば、フリーローンにこだわる必要はありません。主な借り入れ先は銀行系金融機関です。お墓を建てる際にかかる費用とその他の出費総額が把握できたら、近くの銀行窓口で相談してみましょう。
メリット
●借りたお金をどのように使っても構わない
デメリット
●審査基準が厳しい
●審査期間が長い
●金利が高い
目的型ローン
目的型ローンは、住宅ローンや教育ローンなど、定められた特定の目的に対してお金が借りられる方法です。
金融機関からお墓のためのローンが用意されていれば、利用することができます。お金の使い道には制限が課せられますが、フリーローンよりも金利が低いという点が大きなメリットでしょう。フリーローンと同じく、こちらも銀行系金融機関からの借り入れとなります。
利用目的を明示する必要があるため、石材店から出してもらった見積書を持参しましょう。
メリット
●フリーローンよりも金利が低い
デメリット
●借入金を他の目的に使えない
●審査期間が長い
墓石ローン
石材店がクレジット会社と独自に提携し、墓石購入のための専用ローンを提供していることもあります。
店舗ごとに金利は違い、場合によっては非常にお得な利率で借りられるかもしれません。その反面、墓地取得費用には充当できなかったり、頭金が必要になったりするケースもあるので、利用条件をよく確認する必要があります。
フリーローン・目的型ローンと違い、契約はクレジット会社と行います。石材店の店舗内で申し込むことができ、審査の申請も代行していただけるため手間がかかりません。
上記2つのローンに比べて審査期間は短めで、場合によっては当日に結果がわかることもあります。
メリット
●お得な金利でローンを組める可能性がある
●墓石購入と同時に手続きが行えるため手間がかからない
●審査期間が短い
デメリット
●墓石を購入する石材店からしかローンが組めない
●頭金が必要となる場合がある
●場合によっては永代使用料(土地の取得費用)には適用できないなどの制限がある
下記の表で3つのローンを比較しながら、自分に合った借り入れ方法を探してみてはいかがでしょうか。
ローンの種類 | 借り入れ先 | 金利 | こういった方にオススメ | ここに注意! |
フリーローン | 銀行系 金融機関 | 髙 | ・お墓費用の総額+αを借りたい方 | 審査が厳しい |
目的型ローン | 銀行系 金融機関 | 中 | ・お墓費用の総額(または費用の一部)のみを借りたい方 | 購入後に支払い明細の提出が必要 |
墓石ローン | 信販系 金融機関 | 低~高 | ・頭金支払いなどの条件を承諾できる方 ・借り入れ手続きの手間が面倒な方 |
お得な金利かどうかを判断する必要アリ |
お墓を買うお金が無い時の手段
●「事情があってローンを組めない」
●「お墓を建てずに供養をしたい」
そういった方は、手元にある遺骨をどのようにすれば良いのでしょうか。
主だった方法として、以下の5つが挙げられます
●散骨
●永代供養
●樹木葬
●納骨堂
では順を追って見ていきましょう。
手元供養(1万円~)
手元供養はお墓を建てずに、遺骨を手元に置いて供養する方法です。
おしゃれなデザインの骨壷や遺骨を収納出来るアクセサリーなど、多様な商品が販売されていますので、自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。ただし代が途絶えた際に、遺骨の行く先がなくなってしまう点には注意が必要です。
他の方法で正式に供養や埋葬をするまでの、一時的な手段と考えておきましょう。
メリット
●手軽で安価
●供養が自宅でできる
デメリット
●いずれはどこかへ遺骨を納める必要がある
散骨・里山型樹木葬(10万円~50万円)
散骨とは、遺骨をパウダー状にして海や山に撒くことで故人を弔う方法です。里山型樹木葬と呼ばれる、山中に自然に生えている木の根元への埋葬も、同じ大自然へ遺骨を還すという意味では似た方法と言えるでしょう。
ただし、どこにでも勝手に散骨していいというわけではありません。場合によっては罰せられることもありますので、まずは散骨・里山型樹木葬を専門とする業者に相談してみましょう。
散骨をする場合は遺骨の場所がわからなくなるので、あとからお参りに行くことができないという点を理解しておく必要があります。
メリット
●お参りや維持管理が不要
デメリット
●遺骨の場所が特定できない
●遺骨が二度と戻ってこないので、あとからお墓や納骨堂に納めたくなった時に困る
永代供養(3万円~50万円)
特定の寺院に、永代にわたって(あるいは期限を設けて)供養をお願いする方法です。
遺骨の埋葬場所としては合祀墓が多く見られますが、公園型樹木葬などと組み合わされることもあります。合祀墓への埋葬であれば費用は安く抑えられるでしょう。
自らお参りに出かけるのが難しい高齢の方やお子さんがいない方にとっては、安心できる埋葬方法といえます。
メリット
●定期的にご住職から供養を受けられる安心感
デメリット
●合祀の場合は、他の遺骨と同じ場所に埋葬される
●遺骨を取り出せない
公園型樹木葬(10万円~100万円)
公園型樹木葬は、霊園の中に作られた樹木葬専用区画に遺骨を埋葬する方法です。
お参りのためのスペースや水場がしっかり確保されていて、普通のお墓と同じようにお参りできる点が、里山形樹木葬との大きな違いになります。
樹木の周りに小型の墓石を備えているものや、個別納骨か合祀されるかの違いなど、多種多様なタイプが存在しますので、希望に沿った場所を探しましょう。一般的な墓地にはあまり見られない、華やかな雰囲気が特徴です。
メリット
●花や木々に囲まれた環境の中でお参りができる
デメリット
●霊園の管理がしっかりしていないと木が枯れてしまうことも
納骨堂(20万円~200万円)
納骨堂とは、主に室内に設けられた納骨スペースに遺骨を納め、お参りも行える施設を指します。
納骨スペースの広さによって納められる遺骨の上限数が異なり、それに応じて価格も様々です。またロッカー式や自動搬送式などの種類があり、目的に応じて選ぶことができます。市街地や駅前など立地条件が良いのが特徴で、頻繁にお参りをしたい方にとっては便利ですね。
納骨堂はお墓に比べて安価なイメージがありますが、仏壇を模した豪華なものなど、高価格帯な納骨堂も存在します。
メリット
●交通の利便性が良い
●雨天を気にせずお参りできる
デメリット
●お盆やお彼岸に混み合いやすい
●ロッカー式はお参り場所が狭い場合がある
納骨堂や樹木葬の場合でもローンを使える
納骨堂や樹木葬を利用する際にも、ローンを組むことは可能です。
お墓を建てる際に利用するローンと同じものになりますので、「使えるローンの種類」を参考にしてみてください。
最後に
最初に述べましたように、お墓を建てる際には決して安くない費用が発生します。
先祖供養をしたいという気持ちは尊重されるべきですが、日々の生活を犠牲にしてしまっては本末転倒ともいえるでしょう。
一括支払いが当たり前だったひと昔前とは違い、お墓を建てる際のローンの利用は、今ではごく普通のこととなりました。ローンを利用することで無理なくお墓を建てられるのであれば、積極的に利用してみてはいかがでしょうか。