2022.02.16
初詣で運試し「おみくじ」の起源
目次
日本人の7割以上が行なう「お墓参り」と「初詣」
日本人の意識調査によると、宗教行為の中では「お墓参り」と「初詣」がダントツのトップで、20~70歳までの70%以上が行なっているそうです。新型コロナの感染が広まる中、人出の多い年末年始を避けて初詣に行かれた方もいらしたことでしょう。神社仏閣ではその年の運試しにおみくじを引かれる方も多いと思いますが、その起源はいつ頃なのでしょうか。
おみくじの考案者は平安時代の高僧、元三大師
調べてみると、古代より国の祭政に関わる重要事項を決める際、神の意志を占うために籤(くじ)を引いたのが「神籤」(みくじ)の起源とされます。神社仏閣で多く見られる現在のおみくじの原型は平安時代、第18代天台座主(ざす)で比叡山延暦寺の中興の祖、元三慈恵(がんざんじえ)大師良源が考案したもので、元三大師は観音菩薩より授かったとされる五言四句の偈文(げもん)100枚のうち1枚を引かせて、その教えを導いたとされており(籤に番号と五言四句が記されているのはそのため)、比叡山の元三大師堂はその発祥の地として知られています。京都の六波羅蜜寺や岡山・倉敷市の蓮台寺など、四柱推命を基にしたおみくじもあります。しかし、全国の社寺で授与されるおみくじの約7割は、意外にも山口県周南市(しゅうなんし)の二所(にしょ)山田神社が設立した月刊新聞社「女子道社」によって製造されているということです(月刊誌『女子道』発刊の資金源として始まり、英語版は海外にも輸出されている)。
気になる吉凶の割合は?
吉凶の量の比率は神社仏閣によって様々。偈文に戒めが多いため、かつては凶の割合が多かったとされますが、昨今は凶を減らしたり、入れないところもあるそうです。ちなみに2年前、長野県の善光寺を参拝した時、おみくじを引いたところ、家族4人のうち私を含む3人が凶でした(その後、凶3人は、いずれも元気に過ごしているが、吉だった1人は昨年病気で入院した。もちろん因果関係は不明だが、凶3人はそれを戒めとしたことで凶事を回避できたとも言える)。吉が出れば、心願成就に向けて努力するモチベーションになりますが(その反面、過信や不注意を招くこともある)、凶が出てもそれを戒めとするか、「今がドン底なら、これ以上悪くならない。運は上がる一方」とポジティブに解釈すれば、気が楽になるでしょう。