2021.11.30
不帰の人々―来世への旅立ち(令和3年霜月)
目次
細木数子さん(11月8日没、享年83歳)
1938(昭和13)年4月4日生まれ。中国の易学から編み出したとされる六星占術の創始者。16歳の頃にミス渋谷に選ばれ、高校在学中に宝塚音楽学院に合格(入学は辞退)、20歳で銀座にクラブを開店、39歳で芸能プロダクション設立、45歳で陽明学者と結婚(後に調停による和解で無効となる)。1985年『運命を読む六星占術入門』がベストセラーになり、六星占術ブームを巻き起こす。お墓の鑑定で相談者から「高額(1,000万円以上)の墓石を買わされた」として、1993年に損害賠償を求める訴訟が全国各地で起こる。神社の参拝方法を巡っては「音を立てないように拍手を打つ」など、細木氏のテレビでの発言が間違っているとして、その指導を求める苦情が神社本庁に寄せられることもあった。2003年頃、細木氏が人生相談する番組の視聴率は20%前後あったといい「視聴率の女王」と呼ばれる。著書は100冊以上、総計6,500万部以上(出版社発表)を売り上げたとされ、「占いの本を世界一売った人」としてギネスブックに掲載されている。
瀬戸内寂聴さん(11月9日没、享年99歳)
1922(大正11)年5月15日生まれ。実家は徳島市の仏壇店、瀬戸内商店。『夏の終り』(女流文学賞)『花に問え』(谷崎潤一郎賞)『場所』(野間文芸賞)などの代表作で知られる小説家、天台宗の尼僧。東京女子大学在学中に20歳でお見合い、翌年結婚、その翌年に出産。その後、夫の教え子の文学青年と不倫、離婚。1953年作家デビュー、66年小説家・井上光晴と恋仲になるが、73年その関係を断つため51歳で出家、天台宗中尊寺(岩手県平泉町、写真上は同寺本堂の釈迦如来像)にて得(とく)度(ど)し、法名を寂聴とする。京都の自坊「寂庵」では、週末に青空(天台寺)説法を行ない、人気を集める。2010、15年と2度にわたって脊椎の圧迫骨折で入院、退院後のテレビ番組で当時の(通常の2倍の投薬でも収まらなかったとされる)腰の痛みについて「もう神も仏もない」と述べたことが語り草となっている。
元広島カープの名監督らも帰らぬ人に
上記の経歴やエピソードはほんの一部ですが、お二方とも人を引き寄せる魅力があり、波乱万丈の人生だったことがわかります。他にも、今月11月中に、古(こ)場(ば)竹(たけ)識(し)さん(元広島カープ監督、旧名・毅)=12日没(85歳)、全斗煥氏(元韓国大統領)=23日没(90歳)といった方々が不帰の人となりました。改めて皆様のご冥福をお祈り申し上げます(合掌)。