2025.05.19
大阪・関西万博は「石」関連施設・イベントも目白押し
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大阪・関西万博が4月に開幕してから約1ヵ月が経過しました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですが、会場内の施設やイベント、展示等に注目すると「石」にまつわるものが沢山あり、石材業界及び「石」好きファンの間で密かに盛り上がりを見せています。たとえば、西ゲートから大屋根リング沿いに左へ少し進むと、石にケーブルを通して頭上に吊るした「石のパーゴラ(休憩所)」が目に飛び込んできます。石は大島石(愛媛産)、万成石(岡山産)、庵治石及び小豆島石(香川産)で、約750個、総重量は約90トン。随所に石組や巨石(ベンチ)も配置されています。また会場内〔いのちパーク〕から西ゲート方面に少し進むと、野趣あふれる巨石群が突如姿を現します。これは江戸幕府による大坂城再建に際し、築城名人と伝わる藤堂高虎の指示によって切り出されたものの実際には使われなかった、いわゆる「残念石」でつくられたトイレです(写真上ルーマニア館前)。京都府木津川市が管理する、長辺が約2.5~3.2m、重量は約6~13tの5つの巨石が使われています。その歴史的価値を考慮して、石には一切加工を加えず施工されており、万博終了後は木津川市に返還することになっています。
五大陸の「石」を磨くだけのワークショップも大人気!
イベント関係では、西ゲート付近(正面右手EXPOアリーナ手前の広場)で特定日のみ開催ですが、「石磨きワークショップ」(無料、予約不要)が人気です。これは彫刻家・冨長敦也氏が「Love Stone Project EXPO 2025」と題して手掛けるパブリックアートで、五大陸(欧州・アメリカ・アフリカ・アジア・オセアニア)から取り寄せた石をハート形に彫刻し、それを世界中から訪れる来場者が紙やすり(7段階の番手を用意)を使って磨くことで、国籍や世代、文化の違いを越えて「愛と平和」を表現するというもの。すでに4月の2日間で約600人の老若男女が参加するほど大盛況だったようです。開催日など詳細は、本プログラムをサポートする大阪石材工業㈱(東大阪市)ホームページのお知らせ欄にてご確認ください。上記のほか、ポーランド館で開催される「天然顔料ワークショップ」(9月4日㈭~10日㈬、無料、予約不要なども楽しめるでしょう。これから万博に行かれる「石」好きファンの皆さんは、上記の日程に合わせて計画されることをお勧めします。