2020.11.16
お墓に対する不平不満は誰のせい?
目次
いろいろ出てくるお墓に対する不平不満
お墓の値段は高く、維持・管理費も掛かる(子供の負担になる)。お金を払ってまで戒名(法名、法号)をもらう必要があるのか分からない。実家が遠方にあるので、毎年お参りに行くのが大変。お寺との付き合いや承継の手続きが面倒(あるいは承継者がいない)。お墓がなくても別に困らないし、特に必要だとは思わない……等々。そうした不平不満、悪口を数え上げればキリがありません。なぜなら、お墓はその人の生活環境や家庭の事情、心理状態などを表す「映し鏡」だからです。
お墓参りを苦と感じるか否か、それは…
人によって収入や金銭感覚は異なりますので、高いか安いかという個人的な判断を他人がすることはできませんが、潜在意識として「お墓は不要」と考えているから高いと感じてしまうこともあるでしょう。戒名にしても、その意味(2017年8月18付け本コラム【戒名(法名、法号)は「死後の名前」ではありません】参照)を理解すれば、考えが変わるかも知れません。お墓参りも、生前の軋轢や嫌な思い出があると、つい足が遠のきがちですが、過去の個人的な感情はきっぱり水に流して、その作法を通じて、霊神・氏神様として見守ってくれるご先祖様に(「自分に命をつないでくれた」という事実に対して)素直に感謝の気持ちを伝え、近況を報告したり、何かしらお願い事をしたり、悩みを打ち明けたりすることで清々しい気持ちになります(2017年6月23日付け本コラム【古来よりご先祖様を大事にしてきた日本人】参照)。たとえ半日や一日掛かりになったとしても「遠方から来た甲斐があった」と納得できるでしょう(お墓参りを苦と感じるか否かは、すべて本人の心持ち次第なのです)。
大切なのはお墓としっかり向き合うこと
現に「死亡したらお墓を建てなければいけない」「納骨しなければいけない」という法律や義務もないのに、お墓を必要と考え、身銭を切って購入し、熱心にお参りする人たちがいます。お墓(=自分の現状)としっかり向き合い、その良さや価値(お墓がある安心感と、お参りに行ける喜び)を理解することで、「お墓を大事にしたい」「もっとお参りしたい」という気持ちになれば、お墓のクリーニングやリフォーム、あるいは(自分が承継者であれば)気軽にお参りできる自宅近くに改葬しようという前向きな発想も生まれてくるでしょう。