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古代エジプト展がいよいよスタート!

目次

愛知展を皮切りに全国6会場を約1年半かけて巡回

ヨーロッパ5大エジプトコレクションの一つ、オランダ・ライデン国立古代博物館(1818年設立)が所蔵する貴重な遺物約250点を公開する古代エジプト展が、先月9月19日に開幕し、12月6日㈰まで愛知県美術館(名古屋市東区)で開催されています。当初は4月の福岡展を皮切りに全国8会場で開かれる予定でしたが、新型コロナの影響で福岡・札幌の両展が中止となり、ようやく今回の愛知展で開幕となりました。続いて、12月の静岡、来年4月の東京、同7月の仙台、同9月の山口、同11月の兵庫(閉幕は再来年2月)と巡回し、残り5会場での開催が予定されています(詳細は同展ホームページをご覧ください)。

ミイラをCTスキャンした解析データを世界初公開

本展覧会は、18世紀の探検家たちによるエジプトの遺跡にまつわる歴史的な発見と、現地での発掘調査や最新の研究成果などを通して、古代エジプト文化の新たな知見を紹介するために企画されたものです。12点(5セット+覆い2点。セットの棺は身・蓋それぞれ1点として数える)の棺や人間のミイラ5体、動物のミイラ8体などが出品されますが、そのうち人間のミイラ3体と動物のミイラ1体についてはCTスキャンの解析データが世界初公開されます。公開される人間のミイラのうち、1体にはいくつもの護符が置かれていたこと、残る2体には腹腔内に土製と見られる不明の物体が収められていたことが判明しており、それに対してどのような解釈や説明がなされるのか注目されます。

棺は立たせた状態で、間近で見られるように立体的に展示

さらに、棺は横に寝かせた状態ではなく、特別に立たせた状態で立体的に展示されるため、棺に記された「死者の書」などの呪文や様々な神々の図像、あるいはその色彩の豊かさや精緻な装飾などを間近で見られることも見所の一つとなっています。「死後も来世での生活が続くと考えた古代エジプト人は、棺に多くの神々や死者の安寧を願う呪文を記した」ということです。古代エジプトは紀元前3000年頃から3000年近く続いたとされますが(諸説あり)、その当時の人々、つまり我々現代人のご先祖様がどのような死生観を抱いていたのか、大いに気になるところです。会場が近い方はもちろん、遠方の方も足を伸ばすだけの価値は充分あるはずです。ぜひ足を運んでみてください。