2018.03.21
知られざる霊園の魅力シリーズ・第3弾
目次
歴史から登山、遊園地までいろんな魅力を持つ生駒山
大阪平野の東に位置する生駒山(標高642メートル)が我が国の文献に初めて登場したのは、日本書紀の神武東征(神武天皇が日向を発ち、大和を征服して橿原宮で即位するまでを記した説話)の一節とされ、また古くは役行者(飛鳥時代の呪術者で、修験道の開祖とされる)による鬼退治伝説などが知られています。その山腹に現世信仰で知られる宝山寺があるほか、奈良県側の山麓に生駒山の神を祀る往馬坐伊古麻都比古神社(往馬大社)、大阪府側の山麓には石切劔箭神社や枚岡神社などがあるため、いわゆる霊山と見做す人もいるようです。近鉄・石切駅を起点とする登山ルートの一つ「くさかコース」の途中には大阪城築城などに使われた生駒石の石切場跡があり、トレッキングも気軽に楽しめますので、東京で言うところの高尾山(標高599メートル)みたいな存在ですが、山上には何故か生駒山上遊園地(1929年開園、園内の「飛行塔」は国内最古の大型遊具)があり、これまた不思議な空間が広がっています。
大阪府側の眺望は絶景なり
そんな生駒山周辺は、実は霊園のメッカになっています。新しいところでは、平成28年にグランドオープンした「大阪霊園 眺望の丘」(大東市)がお勧めです。その名のとおり霊園から見える大阪平野の景色が素晴らしく、天候がよければ遠く淡路島や明石海峡大橋なども見られます。「山にある霊園=交通の便が悪い」ということは決してなく、無料送迎バス(最寄駅は近鉄生駒駅またはJR野崎駅)があるほか、バリアフリー設計により管理棟から墓地区画までエレベーターも完備されています。
奈良県側はタイムスリップしたような…
一方、同じ生駒山周辺でも奈良県側にある霊園の景観は対照的で、たとえば「南生駒霊園」(生駒市)周辺は緑豊かで長閑な田園風景が広がり、まるでひと昔前にタイムスリップしたような懐かしい雰囲気に包まれています(最寄駅は近鉄一分駅)。他にも様々な霊園や寺院墓地が周辺に沢山あり、車があれば、さらに東大阪市や四条畷市、奈良市などまで範囲を広げてもよいでしょう。
長い歴史があり、多彩な魅力を持つ生駒山だけに、墓地もいろいろなタイプが揃っているようです。