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エジプトのピラミッド内部に未知の巨大空間

目次

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長さ30m超の巨大空間がピラミッドのほぼ中心部に

名古屋大学を中心とする国際研究チームの論文で、エジプトの首都カイロ近郊のギザ地区にある世界最大のピラミッド内部に未知の巨大空間が存在する可能性があることが発表され、国内外で注目を集めています。X線やガンマ線よりも透過力の強いミュー粒子という宇宙放射線を使った透視検査など複数の調査方法を使って判明したことで、すでに発見されている「王の間」や「女王の間」「地下の間」とは別に、「大回廊」(高さ8.5m、幅2m、長さ47m)と呼ばれる空間の上(ピラミッドのほぼ中心部)に、長さ30m以上の未知の巨大空間が存在するというのです。

何のために造られた空間なのでしょうか?

このピラミッドは紀元前26世紀の第4王朝時代に造られたクフ王のピラミッド(1辺が230m、高さ146.5m)ですが、その内部に存在すると思われる未知の巨大空間は一体何のために造られたのでしょうか。ある大学教授は、クフの父で先王のスネフェルは、現存する四角錐型に至る試作モデルともいえるピラミッドを複数造っていて、その中には崩れたものや崩壊を免れる工夫をしたと思われるものがあり、その変遷(最古の「階段型」、半壊状態の「崩れ型」、上部の傾斜角を変更した「屈折型」、傾斜角の緩い「赤ピラミッド」など)や試行錯誤を見たであろうクフ王が上部の重量を軽減するために設けた空間ではないのか、と推測しています。また、すでに発見された部屋に王のミイラや副葬品が残っていないのは盗掘されたためというのが通説になっていますが、「実はそれらの部屋はおとりで、別の空間にミイラが存在するのではないか」と推測する意見もあります。

「石」に込められた思いは現代にも

いずれにせよ、紀元前2500年以上前の大昔に、これら巨大な石造物を造る高度な技術があったことに驚かされます。そこにはどんな思いが込められていたのでしょうか。ピラミッドの目的(有名な王墓説はすでに否定されている)や建設方法はまだ解明されていませんが、「石」で造られたのはやはり永遠性を求めてのことでしょう。その思いは今日の墓石にもしっかり受け継がれています。