2017.11.08
墓地選びのポイントはいろいろありますが…
目次
写真:全区画に永代供養システム導入の超大型公園墓地「はびきの中央霊園(大阪府羽曳野市)」
第一に「お墓を継ぐ人がいるか、いないか」
墓地を選ぶ際のポイントとして、
①宗教(宗旨宗派へのこだわりの有無。寺院墓地の場合は、檀家となる条件や心構え)、②立地条件(交通の便)、③価格(永代使用料・年間管理費・墓石代など)、④周辺環境(地盤の強度、水はけ、日当たりなど)、⑤設備(管理事務所や休憩所、法要設備、駐車場など)が挙げられますが、第一に考慮しなければならないのは「お墓を継ぐ人(承継者)がいるか、いないか」ということです。承継者のいる方で、宗旨宗派にもとづく先祖代々墓を希望するのであれば必然的に寺院墓地となり、宗旨宗派にこだわらない先祖代々墓であれば民営霊園も対象となります。一方、承継者がいない場合、自分または夫婦だけで眠りたい(お墓を建てたい)かどうかで選択肢が変わってきます。一人または二人用など個別の空間に埋葬(収蔵)されることを希望する場合、永代供養付き一般墓地(後述)または条件付で個別に収蔵される納骨堂(自動搬送式、ロッカー式など)や個別埋葬型の樹木葬となり、個別の空間にこだわらない(=他人の遺骨と一緒に埋蔵される合祀墓でも構わない)というのであれば、合祀型の納骨堂や永代供養墓、さらに自然回帰の願望があれば樹木葬や散骨といった選択肢が加わります。
備えあれば憂いなしの「永代供養付き一般墓地」
「永代供養付き一般墓地」というのは、あまり知られていませんが、承継者のいない方や、いずれ不在になることが確実視される方を対象とした墓地で、外見は一般墓地とほとんど同じです。承継者が途絶えた時までなど、あらかじめ使用期限を設定し、その時点で遺骨を永代供養墓へ改葬し、墓石を解体・撤去した後、墓地を寺院に返還するというもので、その費用が全て含まれています。もし永代供養のない一般墓地で承継者が途絶えた場合、その墓地もいずれ無縁墳墓として改葬されることになりますが、それが5年後か10年後か、20年先なのか、経営主体が決めることなのでいつなのか分かりません。その間は誰にも供養されない状態が続くことになります。永代供養が付いていればその無縁状態を最小限に留めることができるのです。もしそのような不安を抱えているのであれば、永代供養付き一般墓地という選択肢についても検討してみる必要があるでしょう。