2017.11.03
天台宗の総本山「比叡山延暦寺」の魅力とは…
目次
「日本仏教の母山」として各宗派の祖師を多数輩出
天台宗の総本山比叡山延暦寺(滋賀県大津市)は奈良時代の788(延暦7)年、伝教大師最澄によって開かれました。平安中期から鎌倉時代にかけて新しい仏教運動の兆しが現れ、日本の浄土教の祖とされる恵心僧都源信をはじめ、法然上人(浄土宗)、親鸞聖人(浄土真宗)、栄西禅師(臨済宗)、道元禅師(曹洞宗)、日蓮聖人(日蓮宗)、一遍上人(時宗)、空也聖人(空也念仏宗)など、後に日本仏教各宗派の祖師となった数多くの高僧が、この延暦寺より生まれました。比叡山が「日本仏教の母山」として仰がれている所以です。
世界中から宗教の代表者が集まる宗教サミット開催も
1987(昭和62)年には、仏教・キリスト教・イスラム教・ヒンズー教などの七大宗教の代表者が集まり、世界平和実現のために対話と祈りを捧げる「世界宗教サミット‐世界宗教者平和の祈りの集い‐」が開催され、それ以降、毎年8月4日は延暦寺の年中行事となっています。今年で30周年を迎えました。さらに昨年は源信千年遠忌に当たり、浄土宗と西本願寺(浄土真宗)が延暦寺で法要を営んでおり、また今年2月には天台宗最高位の座主(天台座主)を導師として、やはり浄土宗総本山・知恩院(京都市東山区)と浄土真宗本願寺派本山・西本願寺(下京区)で法要が営まれています。天台座主が両寺院で法要を営むのは史上初めてのことでした。
意外と知られていませんが、延暦寺という建物は存在しません!
延暦寺という名称は、比叡山の境内地(約500ヘクタール)に点在する約150の堂塔の総称で、「延暦寺」という建物は実在しません。山内を地域別に、東の「東塔」、西の「西塔」、北の「横川」に分けて、3つ合わせて「三塔」と言い、東の根本中堂、西の釈迦堂(転法輪堂)、北の横川中堂(遣唐使船をモデルとした舞台造り)がそれぞれの本堂となります。他にも見どころは一杯です。
実は、こうした格式と伝統を誇る延暦寺にも墓地があります。JR湖西線・堅田駅から車で約13分の距離にある(無料送迎バスあり)「比叡山延暦寺大霊園」です。ここに墓地を求めれば1200年の法灯に護られた至上の安心感が得られるでしょう。京都駅から20分、大阪駅からも50分という近さ。周辺のお勧めスポット・蓬莱山(びわ湖バレイ)のテラスから眺める琵琶湖も絶景です。